本日2020年3月11日(水)、あの忌まわしい東日本大震災から9年になります。

先ずもって、この大震災でお亡くなりになられた方に改めて謹んで哀悼の意を表しますと共に、今なお、避難されている方々に心よりお見舞い申し上げます。

 先日3月8日に、3月6日より公開されている「Fukushima 50」という映画を観て来ました。この映画のタイトルの「50」は東日本大震災当日から5日間、福島第一原発を最後まで守り続けた約50名の作業員等の方々を指します。
(この映画を観るまでその事すら知りませんでした・・・。)

主役の一人、伊崎1・2号機当直長を演じた 佐藤浩市さん (映画パンフレットより)

 この映画を観て、彼らが居なかったら最悪格納容器の爆発が起こってしまい、半径250km圏内が高濃度汚染され、日本の人口約5,000万人が避難せざるを得ない状況になってしまった事を改めて思い知る事が出来ました。
この250km圏内には、北は岩手県盛岡市の南辺り、秋田県秋田市の南数十キロまでの東北地方のほぼ大半、東京や横浜など関東地方の大部分、新潟県中・下越地方や長野県東・北信地方の一部まで含まれており、世界の有史以来最悪の原子力汚染事故になる可能性がありました。
(弊社のある須坂市の一部もこの区域内に入っていました。)

 最悪の事態に対する恐怖とプレッシャー、そして自身が高濃度被爆してしまう恐怖、まさに自身の命を削って奮闘する現地の吉田所長を始めとする作業員の方々に、映画を観ている間 何度も涙してしまいました。この映画の最後の方に、佐藤浩市演じる伊崎1,2号機当直長が渡辺謙演じる吉田所長に「俺たち何が間違っていたんだろうな?」と尋ねるシーンがありました。「現場で命を張って頑張っていたこの人達には殆ど責任はなかったのでは!?」と考えさせられ、この地に原発を建てた当時の政治家、東電幹部、津波の高さは最大10m程度と想定した防波堤設計関係者、そして大震災当時の官邸、東電幹部等に問題の根源がある様に感じた次第です。(あくまでも私個人の主観です・・・。)

 あれから9年、福島第一原発の廃炉作業については、あまり進んでいない事も報道されております。貯まっていく一方の処理汚染水の最終処分方法も議論されたまま、進んでいません。本日のラジオでは避難生活している地元の福島県双葉町元町民の内、除染が完了して住める様になっても戻りたい人は1割ほどだそうです。そして、未だ行方不明者は2500人を超えており、避難者数は約48000人と発表されています。(復興庁2020年2月10日発表資料より)
 引き続き、私達に出来る事を、息の長い支援をしていきたいと思っております。


もう一人の主役、福島第一原発吉田所長 を演じた渡辺謙さん (映画パンフレットより)

 そして、 得体の知れないコロナウィルス 騒ぎで物々しい現在の日本を、9年前の東日本大震災でお亡くなりになった15000人超の方々が あの世でどのように思われているのでしょうか? 過剰なマスコミ報道により疑心暗鬼になり、マスク、消毒用アルコールやティッシュ、トイレットペーパーを買い占め、デマも飛び交うこの現状をきっと憂えているに違いありません。
 あのときのまさしく国難との危機感から『絆』という言葉を大切にして助け合った私たち日本人が、もう一度この言葉を思い出して、『お互いさま』精神で助け合っていきたいと強く感じます。私にできる事を精一杯行動していきたいと感じる日になりました。