階段下の漆喰塗什器を入り口(中央通り)側より撮影しました

 令和4年9月1日木曜日夜に、八幡屋礒五郎様本店奥、横町カフェ入口の階段下に入る漆喰塗什器を 納品させて頂きました。
家具に漆喰を塗る事自体、弊社にとって初めての経験でした。(最低でも私が入社以来24年間で一度もありません!)
ですから、漆喰下地の家具表面を合板下地にしようとしていてクラック(ひび割れ)が出てしまうからプラスターボード下地にしなければいけない事、弊社工場で漆喰を塗って貰ってから移送・搬入しようとしていて、(左官職人さんからの)トラック移送中にクラックが発生してしまうという指摘より、工場では下塗りまでにして、搬入した本店内で仕上げの漆喰塗りをする様に変更した事など、漆喰塗の基本すら知らず、左官屋さんにいろいろと教えて頂きました。

横町カフェ側から撮影しました

 そもそも何故漆喰仕上にしたのかといいますと、本店の壁が漆喰仕上になっていて、『同じ漆喰仕上にしてこの什器自体が壁に溶け込むデザインの中でガラス張りの展示部を間接照明で浮かび上がらせてより強調・注目できるようにした方が良い』という八幡屋礒五郎様室賀社長によるご提案を頂いたからでした。
一番最初にお出しした当方の素案では、メラミン化粧板という建材仕上にして、高さも1,500㎜程度でガラスショーケースを2段にするという内容でした。階段下にセットされた姿を見て、室賀社長の先見の明に心底感心致しました。
この什器が入った事により、お客様が階段下に頭をぶつけてしまう事故の可能性がほぼ皆無になったと思います。


ガラスケース内の様子。(展示物は什器に付いているキャスターで什器本体を移動させて、壁側面に付いている扉を開けて入れ替えできます。)

 搬入当日は、閉店後の18:30過ぎに社員6人でトラックから降ろし、下部に付けたキャスターを使って店内に搬入、事前に工事をしていた電気配線を繋ぎ、電気屋さん立会いの下、点灯試験を行いました。その次に、この什器を作業しやすい様に本店店舗中央付近に移動してガラス屋さんが20時頃から高透過ガラスの取付及びシールによる固定工事を行って、21時頃から左官屋さん2名により漆喰塗を行って頂きました。左官屋さんの工事完了が日付が変わったAM2時前で、漆喰を何度も塗って 丁寧に 金ゴテで押さえて頂きました。
 漆喰が早く乾く様に一晩中扇風機と空調を回して頂き、翌朝(9月2日)開店前の8時過ぎに訪問して、階段下までゆっくり移動してセットしました。ただ、この日だけ お客様が半渇きの漆喰に触れてしまわない様に、カラーコーンとイエローテープにより立入り禁止措置を取らせて頂きました。(一連の写真は、立入り禁止措置を解除した後の漆喰が乾いた9月5日に撮影したモノです。)

観る角度によっては、ショーケース背面の点検口も間接照明の反射で見えなくなります!
ショーケース下部の2つの正方形の溝は、中に什器移動の為の鉄骨取手が仕舞われています

 実は、この什器の頂点部の高さは2mを超えます。この頂点部の重さがガラスに掛かってガラスが割れてしまわない様に、内部に鉄骨のフレームが仕込んであり、そこに木を貼って家具下地を作成しています。更にその家具下地にプラスターボードを貼って漆喰を塗っていますので、相当な重さとなってしまっております。このため、当初打合せにあった女性スタッフのみで移動させる事はたいへんに難しくなってしまった事は大いに反省するところです。

この什器完成・納品に関わって頂きました、(鉄骨下地を作成下さった)金物屋さん、電気屋さん、ガラス屋さん、左官屋さん、材料等を納入して頂いた納入業者さん、そして残業して家具を完成させてくれ、更には夜間に移送・搬入してくれた弊社社員ほか全ての皆様に心から感謝申し上げます。
 八幡屋礒五郎様本店にお越しになったお客様が奥の階段下什器のこの間接照明で浮かび上がった展示に魅かれて、より一層横町カフェ迄足をお運び頂き、ご入店に繋がれば!と思います。
 八幡屋礒五郎様本店及び横町カフェがこの什器によって益々ご隆盛となります事、心よりお祈り致しております。