去る令和3年12月21日、長野市生涯学習センター(TOiGO WEST 4階)にて行われた「NAGANO 働きたい!改革 ~SDGsとともに考える障がい者雇用~」に参加して参りました。これは、事前に長野県のSDGs推進担当の産業政策課より長野県SDGs推進企業登録されている各社に開催案内があり、世の中の障がい者の割合以上の雇用を通して、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を達成しようとしている弊社にとってタイムリーなテーマであると感じ、参加した次第です。

開催時間1時間30分の前半は、パラリンピックアイスホッケー銀メダリストである上原大祐氏による講演、後半はこの上原氏と障がい者就労施設に仕事を依頼しているMAG MAG inc 代表取締役菊池伸氏と主催者株式会社アデコの岸浩之氏の3人によるパネルディスカッションという構成でした。

上原大祐氏による講演

上原さんのお話は、非常にポジティブで、時折笑いを取りながら、正直とても感激する内容でした。ご自身が車椅子利用者でありながら、バリアフリー滝行をされたり、車椅子のまま畑に入れる様にゴムシートを敷く、パラリンピック開会式で車椅子に乗ったまま縄跳びをするなど、「車椅子だからできない」という固定観念を覆すような活動を多数されていらっしゃいます。

「For one」 一人の為に何かを創る => 課題を深堀り出来る(=その一人に対して深掘りできる) => 新たな産業と発明につながる可能性がある。 具体的には車椅子の方の為に、簡単に着られる着物が、外国人に着易いと受け入れられヒット商品になった事例 など。

「特業」について

「特業」 その障がいのある人に合わせて仕事を創造してしまうというもの
具体例では、
①特別支援学校を特別面白くする活動である「ジャッジマン」、
②常に塗り絵をはみ出してしまう障がい者を「塗絵はみ出しマスター」として名刺を作って、交流している通常小学校児童の人気者になった。そして、芸術作品として認められた 
                       といった事例など。

パネルディスカッション時の資料

健常者の為に作った者は健常者のみにしか使えないが、障がい者の為に作った物は誰にでも使う事が出来る!!
「with デザイン」・・・障がい者当事者と一緒にデザインした物
「by デザイン」・・・   障がい者当事者の立場に立ったデザイン
この 「with デザイン」or 「by デザイン」で検討企画した物でなければならない。これと逆に
「ファンタジーデザイン」・・健常者が障がい者の為に想定したデザイン => 実際に使えない事が多い(具体例としては、ユニバーサルカーのタクシー(操作に時間が掛り過ぎて結果乗車拒否されてしまって本末転倒になって活用されない)事例など)

パネルディスカッション時の資料

といった非常に気付きの多い内容でした。
障がい者雇用を進めてみようと一歩踏み出すモチベーションを持たせられる、素晴らしい内容だったと思いました。

後半のパネルディスカッションでは、冒頭に各種統計データの紹介を受け、問いかけられた課題に対し、3者より各々考えを発表されました。

日本の障がいのある人の人口

 2018年の国勢調査から日本の障がい者比率は7.4%でしたが、現在は8%近いのでは?と感じておりました。やはり2018年レベルよりはアップしていました。

長野県の障がいのある人の人口

長野県の現状も知る事が出来て有意義でした。

長野県の障がい者雇用の状況

今回このセミナーに参加して、障がい者雇用は、企業が永続する為に必要な事だと改めて感じる事が出来ました。弊社は一歩踏み出しましたが、障がいのある方の特性を切り分け、その方が働き易くなって、勤め続けられるというその先の課題で苦戦しています。ですが、踏み出した事により弊社の課題も見えてきました。また、社員が日常で障がい者に接する事によって、確実に優しい雰囲気になって来ていると思っております。

弊社は、障がい者比率以上の障がい者雇用を引き続き目指していきたいと改めて強く思えた1日になりました。このセミナーに参加させて頂き、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。