秋山木工講演こんにちは!
関 裕朗です。

去る12月15日(土)に、長野市飯綱高原ホテルアルカディアにて行われた盛和塾<長野>公開講演会を聴いてまいりました。なぜ須坂YEGのブログに取り上げたかというと、たいへんに感動した話で経営者として賛同できる部分が大いにあるのではと思ったからです。(あのときの感動の話をうまくお伝えできるか甚だ疑問ですが・・・)
講師は当社と同業でもある、横浜市で国会議事堂や宮内庁、迎賓館でも使われている家具を製作する(有)秋山木工代表取締役の秋山利輝氏に「丁稚のすすめ」というテーマでご講演頂きました。
実は、恥ずかしながら盛和塾という団体すら今回初めて知った自分が何故この講演を聴く機会に巡りあえたかというと、同業という事もあってか当社社長が盛和塾長野のメンバーの方から聴講チケットを貰って来て当社幹部社員に配布した事に依ります。因みに盛和塾とは京セラや日本航空の名誉会長でもある稲盛和夫氏に経営の王道を学ぶ経営塾です。知り合いの方は一人もいない(当社も自分だけ)中での聴講でした。

講演内容は、秋山社長の生い立ち、文部科学省が製作した『わたし家具職人になります』という映画の上映、丁稚さんの実体験のお話でしたが、その他にも隣の聴講者との1分間でこの講演で感動したこと、自己紹介といった実習も行われました。
秋山木工では、入社した丁稚は男も女も坊主になり、最初の4年間は丁稚として寮で共同生活をして、仕事の技術ばかりでなく、人間性を高め、5年目から職人となっても入社8年で全員退職(卒業)させて、卒業した職人が日本各地で新たに職人を育ててもらうという方式を取っています。この時代に丁稚なんて!と思いますよね。自分もそう思いましたが、映画を見たり、実際に1年目の丁稚の話を聴くにつけ、一流の人間性を持った社会人を全身全霊で育てている事が良くわかりました。
このユニークな人材育成は何度もTVでも取り上げられ、講演前日にもTV東京系列のたけしのニッポンのミカタという番組で放送されたそうです。
『わたし家具職人になります』という映画は秋山木工に入社した高卒の女性2人をメインに取材し、挫折を乗り越えていくところや技能オリンピックにひたむきに挑む姿、そして人間性が高められていく姿を収録していて、最後は涙が止まりませんでした。(T_T)
映画鑑賞の後には、1年目の丁稚2名の方に話を聴き、彼らの自己紹介や職人心得28箇条の唱和、秋山木工でどんな家具職人になりたいかの発表等 とても18歳、19歳とは思えない話し振りに心より感心、感動しました。

秋山社長は「家具職人とは家具作りを通してお客様に感動を与える職業であり、感動させられる家具を作るためには人間性が大切だ」と仰っておりました。これってどの業種にもいえますよね。
因みに職人心得28箇条を下記に掲載します。
1 挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます。
2 連絡・報告・相談のできる人から現場に行かせてもらえます。
3 明るい人から現場に行かせてもらえます。
4 まわりをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます。
5 人の言うことを正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます。
6 愛想よくできる人から現場に行かせてもらえます。
7 責任を持てる人から現場に行かせてもらえます。
8 返事をきっちりできる人から現場に行かせてもらえます。
9 思いやりのある人から現場に行かせてもらえます。
10 時間を気にできる人から現場に行かせてもらえます。
11 道具の整備がいつもできる人から現場に行かせてもらえます。
12 お掃除、片付けの上手な人から現場に行かせてもらえます。
13 今の自分の立場が明確な人から現場に行かせてもらえます。
14 前向きに事を考えられる人から現場に行かせてもらえます。
15 感謝のできる人から現場に行かせてもらえます。
16 身だしなみのできている人から現場に行かせてもらえます。
17 お手伝いのできる人から現場に行かせてもらえます。
18 自己紹介のできる人から現場に行かせてもらえます。
19 自慢のできる人から現場に行かせてもらえます。
20 意見が言える人から現場に行かせてもらえます。
21 お手紙をこまめに出せる人から現場に行かせてもらえます。
22 トイレ掃除ができる人から現場に行かせてもらえます。
23 道具を上手に使える人から現場に行かせてもらえます。
24 電話を上手にかけることができる人から現場に行かせてもらえます。
25 食べるのが早い人から現場に行かせてもらえます。
26 お金を大事に使える人から現場に行かせてもらえます。
27 そろばんのできる人から現場に行かせてもらえます。
28 レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらえます。
この条文と其々何故大事なのかを2人の丁稚の方がソラですらすら話をされていました。彼らも秋山社長も一切カンペなんて見ないで話をされていて、たいへんに感心させられました。この条文も殆どが皆さん(の会社)にも当てはまりますよね。

たいへんに感動したので、その後の秋山社長と丁稚2名を囲んでの懇親会にも急遽参加させて頂き、改めて彼らの物凄さに鳥肌が立つほどでした。
同業なのに、当社とは雲泥の差があります。いかに当社も秋山木工ほどでなくても、社員の人間性を高めてお客様に感動をして頂ける製品を作っていけるのか、大いに考えさせられました。自分も社員もぬるま湯にドップリ漬かっている事を痛感しました。

たいへんな気付きを頂いた有意義な講演会&懇親会でした。
(詳細をお知りになりたい方は写真の本を購入して読まれる事をお勧め致します。)

(写真は、秋山社長と2人の丁稚さん並びに秋山社長の著書です。)